ポリプロピレンガイドPOLYPROPYLENE GUIDE
2026.08.31

循環型社会の実現に向けた取り組みの一環として、モノマテリアル包材が注目されています。
従来の包材は異なる素材が組み合わされているため、 分別や再資源化が困難で、廃棄物の増加や処理コストの上昇といった課題がありました。
一方、単一素材で構成されたモノマテリアル包材はリサイクルが容易なため、自治体やリサイクル業者の負担を軽減し、資源循環への貢献が期待されています。
特に欧州では包装材に関する規制強化の動きが進んでおり、グローバル展開する企業にとっては対応が急務です。
その中でもポリプロピレンは、耐熱性・成形性・剛性・耐薬品性に優れ、食品・日用品・医薬品分野など幅広い用途での活用が期待されています。
当社が提案するレトルト対応PP製モノマテリアル包材とは、下記2つ以上のフィルムを貼り合わせた包材構成を想定しています。
1. 基材フィルム
耐熱収縮性を有する延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等
(モノマテリアル化の観点からO-PET代替候補として期待される)
2. シーラントフィルム
レトルト処理可能な耐熱性と低温シール性を高度に両立し、さらに耐衝撃性や食品包材に求められる
安全性・衛生性を有するフィルム等
基材フィルム用に開発したPPを用いて作製したOPPフィルムは、優れた耐熱性と低収縮性を有しており、レトルト工程においても加熱による収縮や変形を抑制できます。下図は、通常のOPPグレードで作製したフィルム、開発材を用いて作製したOPPフィルム、OPETフィルムの150℃加熱収縮率比較結果です。
開発材を用いた場合、MD、TD共に加熱収縮率が大きく低減し、OPETフィルムに近い値が得られています。このOPPフィルムは、シール工程においてもシワが発生しにくく、高い寸法安定性を維持できることから、安定した製袋加工と包装品質の向上に貢献します。
レトルトシーラントフィルム用に開発したPPを用いることで、食品包材に求められる安全・衛生性、耐衝撃性を維持したまま、通常のレトルトシーラント材用PPグレードよりも低い温度でシール可能となります。
下図は、通常のレトルトシーラント材用PPグレードと、開発材を用いた際のヒートシール温度とヒートシール強度の関係を比較したデータで、開発材を用いることでヒートシール開始温度が10℃以上低下していることが分かります。本開発材を用いたシーラントフィルムとOPPフィルムを貼り合わせた場合、低温でシールすることが可能となり、シワや収縮を抑えた包材が得られます。

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