R&D研究開発

お客様のニーズにタイムリーに応えられる高品質・高性能な
ポリプロピレン製品の開発・上市を推進していきます。

コア技術 メタロセン触媒

メタロセン触媒とは

メタロセン触媒は、1980年にドイツ・ハンブルク大学のカミンスキー教授らによって見出された活性点が均一なシングルサイト触媒で、重合されるポリマーは組成分布が狭く共重合性が良好である等、それ以前の触媒にはない、多くの優れた特徴を有しています。エチレン系ポリマーにおいては、種々の性能向上が図られ、新規エラストマー、プラストマーの商業化に繋がりました。

一方、ポリプロピレンにおいては、商業的には、ホモPP が限定された分野へ展開されるに留まっていました。これは、特にランダムコポリマー等の共重合体の製造において、触媒活性が低い、重合度を上げにくい等の課題が存在していたことによります。当社は、独自の錯体設計技術と担体技術を駆使することで諸課題を解決し、世界初となるメタロセン触媒系ランダムコポリマー「ウィンテック™」を2001年に上市しました。

ウィンテック™は、低規則性成分、低分子量成分の少なさ、組成の均一性などの特徴を活かし(図1,図2)、従来型(チーグラー・ナッタ)触媒では製造困難であった、低融点、低汚染・低溶出、高い透明性を達成することで、フィルム、医療器具、IT関連製品、化粧品容器等に広く展開しています。

図1. メタロセンPPの特徴 [狭い分子量・組成分布]

※様々な弊害につながる低分子量成分・低規則性成分が低減されています。

図2. メタロセンPPの特徴 [均一な結晶化挙動]

均一且つ微細な結晶構造により高い透明性を発現します。

日本ポリプロは更にメタロセン触媒の応用開発を進め、特有の高い共重合性や、分子構造制御技術を活用した新規触媒による、世界初の重合型・長鎖分岐含有ポリプロピレン「ウェイマックス™」の商業化を成し遂げました。

ウェイマックス™は、長鎖分岐に由来する高い溶融張力と歪み硬化性を活かし、優れた成形加工性を発揮いたします。発泡成形では、高い発泡倍率と均一かつ微細な気泡形成が可能となりました(図3,図4)。また、熱成型やブロー成形において、ドローダウン抑制や肉厚均一化、ラミネート成形加工における均一延展性等に高い効果を発現いたします。更に架橋型分岐PPに比べ、熱による安定性が高いことから、リサイクル特性に優れる特長も持ち合わせており、環境負荷低減に大きく貢献できる材料です。

図3. ウェイマックス™のTダイ・押出発泡特性

延展性と気泡保持性に優れ、高い発泡倍率と独立気泡率を実現します

図4. コアバック・射出発泡特性(一般PP改質)

少量の添加でも発泡特性を大きく改善し、高品質と高倍率を両立させます。

一般PP+ウェイマックス™︎配合

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