ポリプロピレンガイドPOLYPROPYLENE GUIDE
2026.09.07

循環型社会の実現に向けて、包装材のダウンゲージ(薄肉化)やモノマテリアル化(単一素材化)が進められています。特にモノマテリアル化は、異種材料を組み合わせた包装材と比較して、分別や再資源化が容易になることから、リサイクル性の向上に寄与する手法として注目されています。
一方で、フィルムの薄肉化による包装材の剛性やコシ感の低下に加え、包装工程でのフィルムのたわみやシワの発生による加工適性・生産性の低下が課題となっています。また、PPモノマテリアル化に伴う包装工程でのOPP基材(包装材の骨格となるフィルム)の熱変形が生じやすくなることも課題として挙げられます。
こうした課題に対し、当社は包装材のシール層に適したCPP用材料として「CPPシーラントフィルム用ポリプロピレン(高剛性タイプ・超低温シールタイプ)」を開発しました。

図1 CPPシーラントフィルム用ポリプロピレン(高剛性タイプ・超低温シールタイプ)と従来ランダムPPの性能位置付け
当社のCPPシーラントフィルム用ポリプロピレン(高剛性タイプ)は、図2に示す通り、包装材のシール層として一般的に用いられるランダムポリプロピレン(以下、従来ランダムPP)と比較して、高い剛性を有しています。
一般的に、剛性の高い材料ほど融点が高く、ヒートシール強度の発現温度も高温側にシフトする傾向がありますが、表1に示す通り、当社のCPPシーラントフィルム用ポリプロピレンは、従来ランダムPPと同等のヒートシール性を維持しています。
これにより、包装材に求められる強度と密閉性を両立し、内容物保護性能の強化にもつながります。また、従来ランダムPPと同等の高い透明性を有しており、包装材の外観品質を維持できます。

図2 高剛性タイプと従来ランダムPPの剛性比較
表1 高剛性タイプと従来ランダムPPのシート性能比較

剛性がアップしていることから包装材薄肉化への応用も考えられます。下記、図3にはCPP厚みとコシ感の関係を示しています。従来ランダムPP比較で、CPP厚みを約20%薄肉化しても、従来のランダムPPと同等の剛性感(コシ感)を維持することができます。
図3 高剛性タイプPPと従来ランダムPPのコシ感比較 (左)CPP単層フィルム、(右)CPP//PET多層フィルム
当社のCPPシーラントフィルム用ポリプロピレン(超低温シールタイプ)は、従来ランダムPPよりも優れた超低温シール性を実現します。従来ランダムPPと比較して、シール温度を約20℃低くできるため、包装工程における基材への熱負荷低減や、エネルギー使用量低減の可能性があります。これにより、PPモノマテリアル包装材で課題となるOPP基材の熱変形やシワの発生を抑制できます(図4、5)。
また、低温でも安定したシール強度が得られるため、高速包装時のシール不良低減も期待できます。包装材外観と生産性の両立を通して、包装工程におけるさまざまな課題解決に貢献することを目指しています。
図4 超低温シールタイプPPと従来ランダムPPのヒートシール性能比較
図5 超低温シールタイプによるOPP基材の熱変形抑制イメージ(パウチ角部)
日本ポリプロでは、「CPPシーラントフィルム用ポリプロピレン(高剛性タイプ・超低温シールタイプ)」の用途開発を進めています。お客様との対話を通じて、本開発品の可能性をさらに広げ、包装材の課題解決に貢献してまいります。
包装材の薄肉化やPPモノマテリアル化に関する課題をお持ちの方、本開発品にご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。サンプル提供や技術的なご相談も承っています。
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